MT4(メタトレーダー4)で自動売買ソフト「EA(エキスパート・アドバイザー)」を稼働してFX自動トレードをおこなう際、様々なEAの中から自分のトレードスタイルに合ったEAを探し出すことが重要です。MT4のEAは無料でダウンロードできるものから有料ダウンロードとなるものまで様々ですが、価格が高いからといって優秀なEAだとは限らず無料でも安定した成績を残しているEAはたくさんあります。

今回は、無料でも優秀なEAがダウンロードできると評判のサイト「MT4EAの無料配布サイト」でダウンロードできるEAを見てみたいと思います。本記事執筆時点(2023年4月)では、1位はGold_EA2(2023年2月リリース 3ヵ月連勝中)、2位はBoxFX11(2023年2月リリース 4ヵ月連勝中)、3位はWADX8(2023年2月リリース)となっています。

1位のGold_EA2はゴールド(金)をターゲットにしたEAです。ゴールドといえば、高いボラティリティを利用して利益が狙えるほか、経済が不安定な時に価値が上がる安定資産としても人気があります。ゴールドは他の通貨ペアのとの相関性が低くリスクヘッジとして利用することもできます。

2位のBoxFX11は、ユーロ/米ドル(EUR/USD)をターゲットにしたMT4のEAで、異なる時間足のトレンドを分析し、安定した相場でエントリーをするタイプです。パラメータ設定でリスクレベルを変更できるので、初心者でもリスク管理がしやすいEAです。

3位のWADX8は、ユーロ/米ドル(EUR/USD)をターゲットにしたMT4のEAで、二つの使用目的の異なるADXと三つの移動平均線を使用します。セーフティ・モードも搭載でリスク管理しやすいEAです。

MT4(メタトレーダー4)のEA(エキスパートアドバイザー)は、24時間自動でFXトレードができ、プロや専門家が作成したロジックで自動的に取引を続けてくれるので、FX初心者でも比較的安定したトレードができます。MT4のEAには数多くの種類があり、相場によって得意不得意がありますので、相場が変化した際に現在使用しているEAが不得意な相場でロジックが通用しなくなった場合は、新しいEAに入れ替える必要があります。新しいEAに入れ替えるにはまず現在のEAを削除しましょう。EAを削除する方法を以下にご案内します。

MT4のEAを削除するには、まずはEAを停止させる必要があります。チャート上で右クリックして、「エキスパートアドバイザ」→「設定」をクリック。「全般」タブを選択し、「自動売買を許可する」のチェックマークを外して「OK」で停止できます。停止できていればチャートのニコちゃんマークは笑っていない状態になりますので、これを確認したらEAの削除に進みます。注意点として、EAは停止すると新規ポジションをとらなくなりますが保有中のポジションは保有したままになりますので、決済前にEAを停止した場合はEAの削除前に手動で決済をおこなってください。手動でポジションを決済するには、ワンクリック取引を有効にして、MT4画面下のターミナル左下の「取引」タブを選択し、保有中のポジション一覧からコメント欄で手動決済したいEAのポジションを確認して、損益欄の×ボタンを押して手動決済します。これでEA削除の準備は完了です。

EAを削除するには、停止したEAのチャート上で右クリックをして、「エキスパートアドバイザ」→「削除」をクリックすれば削除できます。以上の操作をおこなうと、チャートウィンドウ右上のEA名とマークが消えます。

アメリカの雇用統計発表や政策金利発表、要人発言があるとき、戦争や災害の発生時など、経済に影響が出そうな出来事が起きるタイミングでは、あらかじめEAを強制終了させておかなければいけません。EAを強制終了させるときには、保有ポジションに注意が必要です。

EAを強制終了させると、EAは新規のポジションは取らなくなります。しかしポジションを保有したまま強制終了させてしまうと、そのポジションは自動で決済されません。そのため手動でポジションを決済させなければなりません。手動決済の方法は以下のとおりです。

  1. MT4上部のツールバーから「ツール」→「オプション」を選択。
  2. 「取引」タブの「ワンクリック取引」にチェック、免責事項に同意し「OK」をクリック。
  3. MT4上部の「ターミナル」アイコンをクリックし、画面下にターミナルを表示させる。
  4. 左下の「取引」タブをクリックすると、保有中のポジションが表示される。
  5. 手動決裁したいポジションを確認し、損益欄にある「✕」ボタンを押すと、手動決済が完了する。

EAを強制終了する際には忘れずに、保有しているポジションの確認と手動決済を行ってください。もしくはEAが全てのポジションを決済するのを待ってから、EAを強制終了させるといいでしょう。

なおMT4で稼働させている全てのEAの強制終了は、MT4上部の「自動売買」アイコンをクリックするだけです。アイコンが緑の三角マークから赤の四角マークに変わっていれば、EAの強制終了が完了しています。

また意図せずEAがシステムエラーなどで強制終了となってしまったときも、ターミナルから保有中のポジションの確認を行ってください。EAによっては再起動させた際に、自動で決済されるものもありますが、中には手動で決済しなければならないものもあります。EAを強制終了となった時は、必ず保有中のポジションのチェックが必要です。

MT4からMT5に移行すると、MT4で利用していたチャートの設定やEA、インジケーターなどは再度MT5用のものを準備する必要があります。MT4で使っていたEAをMT5でも利用したい場合は、MT5版に変換することで引き続き利用することができます。

MT5版に変換するにはインターネット上で配布されているコンバーターを利用します。「MT4 MT5 EA 変換」などと検索するといくつか出てきますので、気に入ったものを利用してください。かんたんなものだと、MT4のEAのソースコードをコピーし、それをボタン一つでMT5用に変換してくれるものもあります。ただしこれらのファイルでエラーが出た場合は、ご自身でエラー修正をしなければいけません。プログラミングの知識が必要になることもあるので、できれば変換ではなく新しいMT5用のEAを準備する方が安心です。

MT5はMT4よりも動作スピードが速くなり、時間足の種類が豊富になりました。ひとつのMT4でたくさんの通貨ペアやインジケーターを利用していた方には、違いがよくわかるでしょう。一方で、インジケーターやEAはまだまだ種類が少ないのが現状です。こちらは今後MT5の利用が増えるにつれ、種類が充実していくと思われます。

なお、MT5対応業者であればMT5への移行はかんたんです。MT5用の口座を開設し、資金移動をさせれば利用することができます。まだまだMT5に対応している国内FX業者は少ないですが、海外業者では比較的多く対応しています。MT5がリリースされてから10年以経ちますが未だ多くのFXユーザーがMT4を使っているからです。MT5の普及とともに、MT5用のEAが増えていくだけでなく、MT4からMT5へのEA変換もかんたんにできるツールが出てくる可能性もあります。ゆっくり状況を鑑みながら、MT5に移行していくのもいいかもしれません。

書店やオンラインでは、FXやEAに関する入門書やテクニック本、教科書的存在の書籍がさまざま取り扱われています。インターネット上でもMT4やEAに関する多くの情報が公開されていますが、個人のブログや発信元不明のホームページなどで信頼性に欠けるものもあります。しかし書籍であれば、著者や内容についてもより信用できると言えます。そのため入門やスキルアップのために教科書のようなものを探している場合は、書籍を参考にするのもおすすめです。オールカラーや表や図を駆使してわかりやすく説明されている書籍もあるので、インターネットだけでは理解できなかった方でも、MT4でのEAや裁量トレードに関する理解を深めることができます。

MT4でのチャート分析に関する書籍や、FXやプログラミングに関する書籍もあるので目的やレベルに応じて選択してください。そもそもFXははじめてという方は、FXに関する基礎知識をつけるためにも書籍は役立ちます。EAは自動取引とはいえ、ある程度FXやチャート分析の知識がないと適切な判断ができません。自分自身がわかりやすいと思う1冊、信頼できると思った著者の書籍などを教科書として身近に置いておくのもいいでしょう。

MT4で現在のFX口座残高や各種証拠金などを確認する方法は以下のとおりです。

  1. MT4左の「ターミナル」ウィンドウから「取引」タブをクリックする。
  2. 口座残高、保有しているポジションなどを確認できる。

残高欄に記載されている数字は、現在保有しているポジションの含み損益を含まない残高になります。これに対し有効証拠金欄に記載されている数字は、保有しているポジションの損益を含んだ残高になります。

「ターミナル」ウィンドウの「口座履歴」タブでは、過去の決済した取引などの履歴を確認することが可能です。口座残高などに関する稼働させているEAのトレード成績を確認したい場合は、レポートを出力すると確認することができます。レポートの出力方法は以下のとおりです。

  1. MT4左の「ターミナル」ウィンドウから「口座履歴」タブをクリックする。
  2. 右クリックをし「期間のカスタム設定」をクリックし、出力したいレポートの期間を設定する。
  3. 再度右クリックをし「詳細レポートの保存」をクリックし、名前を付けて保存する。

レポート内の「A/C Summary」が口座に関する詳細です。「Balance」が口座残高を示します。「Equity」が有効証拠金を示し、こちらが未確定の損益も含んだ口座残高です。

FX取引を行うにあたり、利益の確定申告が必要となります。その際にMT4で損益計算書を出力する必要があります。年間(1月1日〜12月31日)の損益計算書を出力する方法は以下のとおりです。

  1. MT4左の「ターミナル」ウィンドウから「口座履歴」タブをクリックする。
  2. ウィンドウ内で右クリックする。
  3. メニューから「期間のカスタム設定」をクリックする。
  4. 開始を1月1日、終了を12月31日に設定し、「OK」をクリックする。
  5. 指定期間の取引履歴が表示される。
  6. 右クリックして、「レポートの保存」をクリックする。
  7. 「名前を付けて保存」ウィンドウが出てくるので、保存先を指定、ファイル名を入力し、「保存」をクリックする。

これで指定した保存先に損益計算書が保存されました。見方は以下のとおりです。

表記 意味
Deposit/Withdrawal 入出金の合計金額
Closed Trade P/L 決済済みの損益合計
Balance 口座残高
Floating P/L 未決済のポジションの損益合計
Equity 有効証拠金
Margin 必要証拠金
Free Margin 余剰証拠金

確定申告を行う際にはレポートの下の方に記載のある「Closed Trade P/L」が確定損益となるので、この額を申告してください。複数のMT4を稼働させている場合は、それぞれの合計を足して計算してください。この損益計算書は、確定申告時だけでなく定期的に確認することで、EAのトレードの成績を適宜チェックするのに役立ちます。

一般的に無料で公開されているMT4のEAは、ほとんどが口座縛りの制限がかけられています。これはそのEAのロジックが無断転用されたり、ロジックを盗まれたりしないようにするためです。しかしながら、インターネット上には数え切れないほどのMT4が公開されており、その中には口座縛りなしのEAも存在します。

無料・有料EAの中にはバックテストだけしか行っていないもの、デモ口座でしかフォワードテストを行っていないものがあります。それらはEAは過去の相場だけでしか検証していない、スプレッドが反映されていないなどの理由から、実際にリアル口座で運用すると成績が悪くなるケースも多いです。口座縛りなしのEAは、そういった損失を避けるために、実装して稼働させる前に自分自身で検証するのに非常に便利です。

口座縛りがなければ、テスト運用用の少額資金で稼働させているMT4の口座で一度稼働させてから、本運用口座で運用するということができます。ただしやはりFX会社からのキャンペーンなどでのプレゼントEAは、そのFX会社の口座を活用してほしいというのが目的なので、口座縛りなしというEAはほとんどないでしょう。基本的には口座縛りがあるものと思っておいてください。