MetaTrader 4(MT4)のEA(Expert Advisor)は、トレードにおけるさまざまな要素を制御し、取引戦略を実行する自動売買ツールですが、Volume(ボリューム)は、EAトレードにおいて重要な指標の一つです。この記事では、MT4のEAのVolumeとは何か、その重要性と使い方について詳しく説明します。

Volumeとは、トレードにおいて特定の時間枠で取引された特定の通貨ペアまたは資産の数量を表す指標です。通常、Volumeはバーまたはキャンドルスティックチャートの下部に表示され、時間枠ごとに取引された数量を示します。Volumeは、取引の活発さやトレンドの強さを示すのに役立ち、トレーダーが市場の動向を分析するための重要な情報源となっています。

Volumeは、市場の重要な特性を反映する指標であり、その重要性は以下の点です。

1. 取引活動の指標
Volumeは、特定の時間枠での取引活動を示すため、市場の動向やトレンドを理解するのに役立ちます。高いVolumeは、市場の活発な取引を示し、価格の急激な変動やトレンドの形成を示唆することがあります。一方、低いVolumeは、市場が停滞しているか、トレンドが形成されていない可能性が高いことを示すことがあります。

2. トレンドの確認
Volumeは、トレンドの強さや持続性を評価するのに役立ちます。通常、トレンドが形成されている場合、Volumeはトレンド方向に向かって増加します。このような場合、Volumeの増加はトレンドの確認となり、トレンドに対する信頼性を高めます。

3. トレードの意思決定
トレーダーはVolumeを使用して、エントリーポイントやエグジットポイントを特定するのに役立ちます。例えば、価格が上昇し、Volumeが増加している場合、これは上昇トレンドが持続する可能性が高いことを示唆します。逆に、価格が下落し、Volumeが低い場合、これはトレンドが弱まる可能性が高いことを示すかもしれません。

MT4では、Volumeを使用して市場の状況を分析し、トレード戦略を開発することができます。以下は、MT4でVolumeを活用する方法の一例です。

1. チャートにVolumeインジケーターを追加
MT4のチャートにVolumeインジケーターを追加することで、取引数量の推移を視覚的に確認できます。チャートの上部メニューから「挿入」→「インジケーター」→「ボリューム」を選択してVolumeインジケーターを追加します。

2. Volumeと価格の相関を分析
Volumeと価格の相関を分析し、高いVolumeが価格の変動とどのように関連しているかを理解します。価格とVolumeの動向が一致しているかどうかを確認し、トレンドの方向性を把握します。

3. インジケーターとの組み合わせ
Volumeを他のテクニカルインジケーターと組み合わせて使用することで、より効果的なトレード戦略を開発できます。例えば、移動平均線やRSI(Relative Strength Index)などと組み合わせて、エントリーやエグジットのタイミングを特定します。

4. トレードルールの設定
Volumeに基づいてトレードルールを設定し、トレードを自動化するEAを作成することも可能です。Volumeが特定の閾値を超えた場合にエントリーまたはエグジットするようなルールをプログラム化することで、感情に左右されないトレードを実行できます。

MT4のEAでVolumeを活用することは、トレーダーにとって市場分析とトレード戦略の向上をサポートする重要な手法の一つです。Volumeは市場の取引活動やトレンドの特性を示し、トレードの意思決定に役立ちます。MT4プラットフォームを使用するトレーダーは、Volumeインジケーターを使いこなし、市場の動向を正確に把握するスキルを磨くことが重要です。

MT4(MetaTrader 4)は、多くのトレーダーにとって人気のある外国為替(FX)取引プラットフォームですが、EAを使用するさいなどトレーダーがより便利で効果的な取引環境を得るためには、表示のカスタマイズが重要となります。それにより、個々のトレーダーの好みや取引スタイルに合わせた見やすいインターフェースを実現できます。以下に代表的な変更箇所とその説明をあげておきます。

1.言語:MT4の表示言語を日本語に変更することが可能です。これにより、日本語ユーザーにとって親しみやすく理解しやすいインターフェースが提供されます。

2.ステータスバー:MT4の下部に表示されるステータスバーでは、四本値(始値、高値、安値、終値)などのデータをリアルタイムで確認できます。取引において重要な情報を迅速に把握することができます。

3.通貨ペアリスト:MT4で取引可能な通貨ペアのリストが表示されます。個々のトレーダーが特定の通貨ペアを取引しない場合は、不要な通貨ペアを非表示にすることをおすすめします。これにより、取引画面をすっきりと保つことができます。

4.気配値表示:MT4の左側に表示される気配値は、通貨ペアの売値・買値、スプレッド、高値・安値などを表示します。トレーダーはこの情報を確認することで、市場の状況を素早く把握し、効果的な取引を行えます。

5.ナビゲーター:MT4の左側に表示されるナビゲーターには、口座IDや使用可能なインジケーター・EA(エキスパートアドバイザー)などの情報が表示されます。トレーダーはナビゲーターを利用して、必要なツールや指標に簡単にアクセスできます。

6.ターミナル:MT4の下部に表示されるターミナルでは、取引履歴やEAの稼働状況などを確認できます。特にEAを利用する場合は、ターミナルを通じてトレードの結果やパフォーマンスを把握することが重要です。

また、MT4では複数のチャートを同時に利用することもできます。チャート画面上部の「ウィンドウ」から「ウィンドウの整列」を選択することで、チャートの表示スタイルを変更できます。表示を整理し、必要な情報にスムーズにアクセスするためには、チャートのカスタマイズが重要です。カスタマイズしたチャートを保存する際は、チャート画面中央下部にある「Default」→「保存」をクリックし、名前を入力して「OK」をクリックします。

MT4のカスタマイズはトレーダーにとって非常に重要であり、個々の取引スタイルに合わせて最適な表示を実現することが可能です。自分にとって使いやすい環境を整えることで、効率的で快適なトレード体験を追求できるでしょう。カスタマイズされたMT4を活用することで、トレーダーはより確実な情報を得て、成功への一歩を踏み出すことが可能になります。

MT4(メタトレーダー4)で自動売買ソフト「EA(エキスパート・アドバイザー)」を稼働してFX自動トレードをおこなう際、様々なEAの中から自分のトレードスタイルに合ったEAを探し出すことが重要です。MT4のEAは無料でダウンロードできるものから有料ダウンロードとなるものまで様々ですが、価格が高いからといって優秀なEAだとは限らず無料でも安定した成績を残しているEAはたくさんあります。

今回は、無料でも優秀なEAがダウンロードできると評判のサイト「MT4EAの無料配布サイト」でダウンロードできるEAを見てみたいと思います。本記事執筆時点(2023年4月)では、1位はGold_EA2(2023年2月リリース 3ヵ月連勝中)、2位はBoxFX11(2023年2月リリース 4ヵ月連勝中)、3位はWADX8(2023年2月リリース)となっています。

1位のGold_EA2はゴールド(金)をターゲットにしたEAです。ゴールドといえば、高いボラティリティを利用して利益が狙えるほか、経済が不安定な時に価値が上がる安定資産としても人気があります。ゴールドは他の通貨ペアのとの相関性が低くリスクヘッジとして利用することもできます。

2位のBoxFX11は、ユーロ/米ドル(EUR/USD)をターゲットにしたMT4のEAで、異なる時間足のトレンドを分析し、安定した相場でエントリーをするタイプです。パラメータ設定でリスクレベルを変更できるので、初心者でもリスク管理がしやすいEAです。

3位のWADX8は、ユーロ/米ドル(EUR/USD)をターゲットにしたMT4のEAで、二つの使用目的の異なるADXと三つの移動平均線を使用します。セーフティ・モードも搭載でリスク管理しやすいEAです。

MT4(メタトレーダー4)のEA(エキスパートアドバイザー)は、24時間自動でFXトレードができ、プロや専門家が作成したロジックで自動的に取引を続けてくれるので、FX初心者でも比較的安定したトレードができます。MT4のEAには数多くの種類があり、相場によって得意不得意がありますので、相場が変化した際に現在使用しているEAが不得意な相場でロジックが通用しなくなった場合は、新しいEAに入れ替える必要があります。新しいEAに入れ替えるにはまず現在のEAを削除しましょう。EAを削除する方法を以下にご案内します。

MT4のEAを削除するには、まずはEAを停止させる必要があります。チャート上で右クリックして、「エキスパートアドバイザ」→「設定」をクリック。「全般」タブを選択し、「自動売買を許可する」のチェックマークを外して「OK」で停止できます。停止できていればチャートのニコちゃんマークは笑っていない状態になりますので、これを確認したらEAの削除に進みます。注意点として、EAは停止すると新規ポジションをとらなくなりますが保有中のポジションは保有したままになりますので、決済前にEAを停止した場合はEAの削除前に手動で決済をおこなってください。手動でポジションを決済するには、ワンクリック取引を有効にして、MT4画面下のターミナル左下の「取引」タブを選択し、保有中のポジション一覧からコメント欄で手動決済したいEAのポジションを確認して、損益欄の×ボタンを押して手動決済します。これでEA削除の準備は完了です。

EAを削除するには、停止したEAのチャート上で右クリックをして、「エキスパートアドバイザ」→「削除」をクリックすれば削除できます。以上の操作をおこなうと、チャートウィンドウ右上のEA名とマークが消えます。

アメリカの雇用統計発表や政策金利発表、要人発言があるとき、戦争や災害の発生時など、経済に影響が出そうな出来事が起きるタイミングでは、あらかじめEAを強制終了させておかなければいけません。EAを強制終了させるときには、保有ポジションに注意が必要です。

EAを強制終了させると、EAは新規のポジションは取らなくなります。しかしポジションを保有したまま強制終了させてしまうと、そのポジションは自動で決済されません。そのため手動でポジションを決済させなければなりません。手動決済の方法は以下のとおりです。

  1. MT4上部のツールバーから「ツール」→「オプション」を選択。
  2. 「取引」タブの「ワンクリック取引」にチェック、免責事項に同意し「OK」をクリック。
  3. MT4上部の「ターミナル」アイコンをクリックし、画面下にターミナルを表示させる。
  4. 左下の「取引」タブをクリックすると、保有中のポジションが表示される。
  5. 手動決裁したいポジションを確認し、損益欄にある「✕」ボタンを押すと、手動決済が完了する。

EAを強制終了する際には忘れずに、保有しているポジションの確認と手動決済を行ってください。もしくはEAが全てのポジションを決済するのを待ってから、EAを強制終了させるといいでしょう。

なおMT4で稼働させている全てのEAの強制終了は、MT4上部の「自動売買」アイコンをクリックするだけです。アイコンが緑の三角マークから赤の四角マークに変わっていれば、EAの強制終了が完了しています。

また意図せずEAがシステムエラーなどで強制終了となってしまったときも、ターミナルから保有中のポジションの確認を行ってください。EAによっては再起動させた際に、自動で決済されるものもありますが、中には手動で決済しなければならないものもあります。EAを強制終了となった時は、必ず保有中のポジションのチェックが必要です。

MT4からMT5に移行すると、MT4で利用していたチャートの設定やEA、インジケーターなどは再度MT5用のものを準備する必要があります。MT4で使っていたEAをMT5でも利用したい場合は、MT5版に変換することで引き続き利用することができます。

MT5版に変換するにはインターネット上で配布されているコンバーターを利用します。「MT4 MT5 EA 変換」などと検索するといくつか出てきますので、気に入ったものを利用してください。かんたんなものだと、MT4のEAのソースコードをコピーし、それをボタン一つでMT5用に変換してくれるものもあります。ただしこれらのファイルでエラーが出た場合は、ご自身でエラー修正をしなければいけません。プログラミングの知識が必要になることもあるので、できれば変換ではなく新しいMT5用のEAを準備する方が安心です。

MT5はMT4よりも動作スピードが速くなり、時間足の種類が豊富になりました。ひとつのMT4でたくさんの通貨ペアやインジケーターを利用していた方には、違いがよくわかるでしょう。一方で、インジケーターやEAはまだまだ種類が少ないのが現状です。こちらは今後MT5の利用が増えるにつれ、種類が充実していくと思われます。

なお、MT5対応業者であればMT5への移行はかんたんです。MT5用の口座を開設し、資金移動をさせれば利用することができます。まだまだMT5に対応している国内FX業者は少ないですが、海外業者では比較的多く対応しています。MT5がリリースされてから10年以経ちますが未だ多くのFXユーザーがMT4を使っているからです。MT5の普及とともに、MT5用のEAが増えていくだけでなく、MT4からMT5へのEA変換もかんたんにできるツールが出てくる可能性もあります。ゆっくり状況を鑑みながら、MT5に移行していくのもいいかもしれません。

書店やオンラインでは、FXやEAに関する入門書やテクニック本、教科書的存在の書籍がさまざま取り扱われています。インターネット上でもMT4やEAに関する多くの情報が公開されていますが、個人のブログや発信元不明のホームページなどで信頼性に欠けるものもあります。しかし書籍であれば、著者や内容についてもより信用できると言えます。そのため入門やスキルアップのために教科書のようなものを探している場合は、書籍を参考にするのもおすすめです。オールカラーや表や図を駆使してわかりやすく説明されている書籍もあるので、インターネットだけでは理解できなかった方でも、MT4でのEAや裁量トレードに関する理解を深めることができます。

MT4でのチャート分析に関する書籍や、FXやプログラミングに関する書籍もあるので目的やレベルに応じて選択してください。そもそもFXははじめてという方は、FXに関する基礎知識をつけるためにも書籍は役立ちます。EAは自動取引とはいえ、ある程度FXやチャート分析の知識がないと適切な判断ができません。自分自身がわかりやすいと思う1冊、信頼できると思った著者の書籍などを教科書として身近に置いておくのもいいでしょう。

MT4で現在のFX口座残高や各種証拠金などを確認する方法は以下のとおりです。

  1. MT4左の「ターミナル」ウィンドウから「取引」タブをクリックする。
  2. 口座残高、保有しているポジションなどを確認できる。

残高欄に記載されている数字は、現在保有しているポジションの含み損益を含まない残高になります。これに対し有効証拠金欄に記載されている数字は、保有しているポジションの損益を含んだ残高になります。

「ターミナル」ウィンドウの「口座履歴」タブでは、過去の決済した取引などの履歴を確認することが可能です。口座残高などに関する稼働させているEAのトレード成績を確認したい場合は、レポートを出力すると確認することができます。レポートの出力方法は以下のとおりです。

  1. MT4左の「ターミナル」ウィンドウから「口座履歴」タブをクリックする。
  2. 右クリックをし「期間のカスタム設定」をクリックし、出力したいレポートの期間を設定する。
  3. 再度右クリックをし「詳細レポートの保存」をクリックし、名前を付けて保存する。

レポート内の「A/C Summary」が口座に関する詳細です。「Balance」が口座残高を示します。「Equity」が有効証拠金を示し、こちらが未確定の損益も含んだ口座残高です。

FX取引を行うにあたり、利益の確定申告が必要となります。その際にMT4で損益計算書を出力する必要があります。年間(1月1日〜12月31日)の損益計算書を出力する方法は以下のとおりです。

  1. MT4左の「ターミナル」ウィンドウから「口座履歴」タブをクリックする。
  2. ウィンドウ内で右クリックする。
  3. メニューから「期間のカスタム設定」をクリックする。
  4. 開始を1月1日、終了を12月31日に設定し、「OK」をクリックする。
  5. 指定期間の取引履歴が表示される。
  6. 右クリックして、「レポートの保存」をクリックする。
  7. 「名前を付けて保存」ウィンドウが出てくるので、保存先を指定、ファイル名を入力し、「保存」をクリックする。

これで指定した保存先に損益計算書が保存されました。見方は以下のとおりです。

表記 意味
Deposit/Withdrawal 入出金の合計金額
Closed Trade P/L 決済済みの損益合計
Balance 口座残高
Floating P/L 未決済のポジションの損益合計
Equity 有効証拠金
Margin 必要証拠金
Free Margin 余剰証拠金

確定申告を行う際にはレポートの下の方に記載のある「Closed Trade P/L」が確定損益となるので、この額を申告してください。複数のMT4を稼働させている場合は、それぞれの合計を足して計算してください。この損益計算書は、確定申告時だけでなく定期的に確認することで、EAのトレードの成績を適宜チェックするのに役立ちます。

一般的に無料で公開されているMT4のEAは、ほとんどが口座縛りの制限がかけられています。これはそのEAのロジックが無断転用されたり、ロジックを盗まれたりしないようにするためです。しかしながら、インターネット上には数え切れないほどのMT4が公開されており、その中には口座縛りなしのEAも存在します。

無料・有料EAの中にはバックテストだけしか行っていないもの、デモ口座でしかフォワードテストを行っていないものがあります。それらはEAは過去の相場だけでしか検証していない、スプレッドが反映されていないなどの理由から、実際にリアル口座で運用すると成績が悪くなるケースも多いです。口座縛りなしのEAは、そういった損失を避けるために、実装して稼働させる前に自分自身で検証するのに非常に便利です。

口座縛りがなければ、テスト運用用の少額資金で稼働させているMT4の口座で一度稼働させてから、本運用口座で運用するということができます。ただしやはりFX会社からのキャンペーンなどでのプレゼントEAは、そのFX会社の口座を活用してほしいというのが目的なので、口座縛りなしというEAはほとんどないでしょう。基本的には口座縛りがあるものと思っておいてください。