MT4のEAやインジケーターを自作したときや他人が自作したものを使う際に、第三者に悪用されたりコピーされたりするのを防止するために、EAやインジケーターにロックをかけておく必要があります。自作EAの独自のトレードロジックを勝手に転用されたり、不正利用されたりすると、販売の機会を失うことになります。ロックの方法にはいくつか種類があり、そのうちのひとつが口座縛りと言われるものです。
口座縛りというのは特定の口座でないと稼働しないようにプログラミングされたEAのことです。口座縛りが施されたEAは指定された口座以外では利用できないので、不特定多数のユーザーに使用されるおそれがなくなるかなり強力なロックです。
口座縛り以外には以下のような方法でロックをしたり、利用者を制限したりすることが可能ですが、それぞれにデメリットがあります。
まずはEAにパスワードをつけてロックする方法です。EAのプログラム内にパスワードを組み込み、そのパスワードをパラメーターに入力することでEAが稼働するように設定します。このパスワードには、ワンタイムパスワードであったり、有効期限があるものであったりいくつか種類があります。こちらは簡単にできるロックの方法ですが、パスワードが流出してしまう可能性もあるため、セキュリティレベルは低いものと言えます。
もうひとつはFX会社のサーバーでロックする方法です。一部のEA配布サイトなどでは、特定のFX会社のサーバーでしか稼働しないような縛り方を導入しているところもあります。この方法では特定のFX会社でしかEAを利用できませんが、そのFX会社であれば他の口座でもEAを使用できるようになるので、これもセキュリティレベルは低いものになります。
無料でインターネット上で公開されている優秀なEAの多くには、口座縛りがプログラミングされていることがほとんどです。口座縛りがされているEAにおいては、多くのケースでデモ口座用のEAを併せて配布しています。購入やダウンロードの際にデモ口座用EAが付属されているかどうか、あらかじめ確認するようにしてください。EAの稼働テスト(フォワードテスト)などはデモ口座用のEAを使用することができますので、リアル口座で行うリスクを避ける事が可能になります。ただし、デモ口座とリアル口座では微妙に値動きが異なる場合もありますので、取引結果に若干の違いが出る事はありますが、これは仕方のないことです。口座縛りは悪用防止対策ですので開発者側の権利を守るために重要なのです。
なお、EAの過去の取引を確認するバックテストも口座縛りを施されたEAは、その口座にログインされているMT4でしか行うことができません。バックテストは口座に入金がなくても自由に行うことができますので、リアル口座で行っても何のリスクもありません。逆にデモ口座用のEAではリアル口座にログインした状態のMT4ではバックテストを行うことができません。なぜならデモ口座用のEAはデモ口座でしか利用できないようにプログラムされているからです。なので、デモ口座用のEAをリアル口座に設定して稼働させても取引を行うことができないのです。つまりデモ口座用のEAもまた口座縛りが施されていると理解しておく必要があります。
以前はこの口座縛りを解除する方法として、デコンパイルといってEAのプログラムの中身を解析し使用者が自由にプログラムを変更する方法がありました。しかし現在ではMT4側のバージョンアップによってEAのデコンパイルは出来なくなっております。そもそもEAをデコンパイルすることは開発者の著作権を犯す行為ですので推奨できる行為ではありません。口座縛りが施されているEAを使用するさいはルールに従い利用するようにしましょう。
MT4EAの無料配布サイトは、独自で開発したEAや他社との共同開発を行ったEAなど無料で配布しています。定期的に、バージョンアップも行っていますので、最新の為替相場に対応できます。